できるだけ抜歯しない矯正歯科治療のお話

私自身は、矯正治療に置いて、抜歯という手段は出来るだけ避けたいと考えております。つまり、できる限り患者様の歯を抜かないで矯正治療を行っています。
 しかし、必ずしも、抜かない矯正だけがすべてだと考えているわけでありません。

基本的に抜かない矯正を希望するのであれば、成長期に矯正治療を行うべきです。骨格を形成する時期から、しっかりと矯正治療を行うことで、歯を抜歯するリスクは軽減しますし、発育を最大限に利用するテクニックもあるのです。

患者様が抜歯をしたくないという希望を持っている場合は、もちろん、できる限り希望を実現するように努力していますが、一見、自然な方法のように見える非抜歯の治療方法も、実際のところ、将来という、長い期間で考えるならば、かえって歯にダメージを与えることがあるのです。その場合は、必要最低限の抜歯を行うというのも、意義のある選択になります。

抜歯するのか、非抜歯なのかは、アメリカでも論議されてきた問題で、非抜歯によって、後戻りなどの弊害も出たこともあり、現在は、抜歯するというのが、アメリカでは主流のようです。

しかし、そうはいっても、発育の残っている子供に関しては、できる限りの非抜歯を検討するというのが、やはりアメリカでも行われております。

つまり、抜歯、非抜歯というのは、単純にどちらが良いという問題でなく、患者様ごとの口腔内のダメージや、状況、将来の見通しまで考えて、総合的に判断すべき問題なのです。

そのためにも、患者様の生体反応をしっかりと見極める目が必要なのです。