この時期は、成長はほぼ終わっている段階です。子供の頃に、しっかりと骨格を整えることは、適切なことですが、この時期に矯正治療を行うことも、また時期的に、適当なことではないかと思います。
というのも、年齢を重ねるにつれ、口腔内には、それぞれの人なりに、ダメージが大きくなっていくものであり、若く、肉体も健康なこの時期であれば、治療の際の安全度も高くなってまいります。
いい時期に矯正をするね・・・そう患者様に言うこともある位です。
ただこの時期もやはり、若いエネルギーを発散させる大切な時期でもあります。対外的な事柄も増えますし、対人的にも、あまりにもぴかぴか光る矯正器具では、とても生活できないという方も多いことだと思います。
そこで、矯正によって起こるストレスを、できるだけ短期間に治療をすませ、ライフスタイルに合わせた治療内容を実現するために、様々なアイテムを応用していきます。やはりここでも、装置の大きさも最小限に抑え、治療中のストレスをできるだけ軽減する事を心がけております。
この時期は、まず見た目を考えて治療に入る方が多いものです。もちろん見た目というか、審美的な要素は大切なことですし、矯正を行う大切な理由だと思います。しかし、実は単に見た目だけの問題ではないのです。
不自然な咬合をそのままにしておくということは、知らず知らずのうちに、歯だけでなく、歯周組織全体にストレスをかけ続けているのと同じなのです。その結果、ダメージを受けやすくなり、若い頃は、健康な肉体と、歯茎によって支えることのできていた歯も、年齢を重ね、ダメージが広がっていくと、急激に弱まるものなのです。
歯というものは、歯周組織全体で支えているものです。矯正によって歯列を整えると言うことは、口腔内の環境を整えることであり、審美的にも効果があるのはもちろん、健康のためにも、大切なものなのです。
歯茎のしっかりとしているこの時期に矯正治療をすることは、このように、大変有意義な意味を持ちます。